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バイスティックの7原則とは?介護現場で活かすための基本と具体例をわかりやすく解説

バイスティックの7原則とは?介護現場で活かすための基本と具体例をわかりやすく解説

介護の現場では、日々さまざまな想いや不安を抱えた利用者様と向き合う機会が多くあります。
その中で「どのように声をかければいいのだろうか」「この対応で良かったのかな」と悩む方も多いのではないでしょうか。
利用者様と信頼関係を築くための基本的な考え方の一つが「バイスティックの7原則」です。

この記事では、バイスティックの7原則ついて介護現場での事例とともに、わかりやすく解説します。
介護福祉士国家試験でもよく出題される内容なので、試験対策としても理解を深めておきましょう。

「利用者様とより良い人間関係を築き、信頼される介護職員として成長したい」
「国家試験対策として理解を深めたい」

このようにお考えの方は、ぜひご参考ください。

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バイスティックの7原則とは?     

バイスティックの7原則は、 介護現場で相談援助を行う際、援助者としての基本的な姿勢を示した原則です。

この原則は、司祭や社会福祉学者として社会福祉の分野に貢献した、アメリカのフェリックス・ポール・バイスティック氏によって提唱されました。

クライエント(利用者様)と援助者(介護職員など)との間により良い人間関係を築き、安心して支援を受けられるための考え方として、介護・福祉の現場で活用されています。

バイスティックの7原則、介護現場で活かすポイント

ここからは、バイスティックの7原則を介護現場で活かすポイントについて、事例を交えて分かりやすく解説します。

①個別化の原則

利用者様は、一人ひとり異なる生活歴や悩み、思いを抱えています。

年齢や病気、介護度が同じであっても、これまで生きてこられた人生や価値観、心に抱えている想いはそれぞれ異なります。

一人ひとりのその方らしさを大切にした支援を行うという考え方が、個別化の原則です。

実際の現場での事例

「家に帰りたい」という訴え一つでも、利用者様によって理由や背景は異なります。

「自宅にいる夫に会いたい」

「今自分がいる場所の居心地が悪い」

「自分の役割がないような気がする」

「家事が心配」

ゆっくり話を聞いたり散歩をしたり、または静かな部屋へ移動したりと、対応方法はさまざまです。

その方が何を感じ、何を求めているのか、訴えの背景に目を向けることで、必要な支援が見えてくることもあります。

ポイント

病名や介護度などの先入観や情報で判断せず、その方自身を知ろうとする姿勢で向き合いましょう。

「帰宅願望への対応はこうだ」と決めつけたり、これまでの経験から利用者様を型にはめて対応してしまうと、本当の気持ちを見過ごしてしまう可能性があります。

一人ひとりにじっくりと向き合い、その方に寄り添ったお手伝いをすることが大切です。

②意図的な感情表出の原則

介護現場では、利用者様が気持ちを安心して出せる環境を整えることが大切です。

嬉しい、喜びなどのプラスの感情だけでなく、特に、不安や怒りなどマイナスの感情も表現できるように、積極的に働きかけます。

そして、ありのままの感情を表出することで、 利用者様が自身の気持ちや状況を客観的に見つめ直すことを目的にしています。 

実際の現場での事例

入居して間もない利用者様が「ここは私の家じゃない」と繰り返し訴えるとき、「新しい環境で不安な気持ちなのですね」と共感し、「どんなことが心配ですか?」と傾聴します。不安や寂しさを言葉にできるようにアプローチしましょう。

ポイント

利用者様が話しやすいよう、 目線や声のトーン、座る位置などに配慮し、自然に話しやすくなるようなアプローチも欠かせません。

・利用者様が椅子に座っている場合は、援助者も椅子に座るなど同じ目線の高さにする

・真正面を避けて少し斜めの位置に座り、プレッシャーを感じにくい雰囲気にする

・落ち着いたトーンでゆっくり、はっきり話す

・穏やかな表情や利用者様の感情に合わせて対応する

援助者は「元気を出してください」と無理やりポジティブな方向へ促したり、利用者様の感情を否定せず、ありのままの感情を受け止めます。

利用者様の話は、最後までしっかり聞き、共感的な姿勢で耳を傾けましょう。

③統制された情緒的関与の原則

援助者は、 自身の感情をコントロールして冷静に支援するという考え方です。

感情を「表現しない」「押し殺す」のではなく、適切なタイミングで状況に合った感情を表し、ケアにつなげます。

実際の現場での事例

病気の進行により身体の痛みを訴え、涙を流す利用者様に対して、援助者は「お辛いですね」などと共感の声掛けを行い、手や背中をさするなどをして寄り添います。

大切なのは、ただ同情して一緒に泣くだけではなく、 共感しながら状況を把握し、医療職との連携や適切なケア方法を検討することです。

ポイント

援助者自身も一人の人間なので、利用者様の辛さや悲しみに胸を痛めることもあります。

しかし、過度に感情移入してしまうと、適切な支援はできません。

介護のプロとして、 感情に流されず、冷静に問題解決に向き合っていきましょう。

④受容の原則

受容の原則とは、 利用者様のどんな感情や発言も、あるがままに受け止めるという考え方です。

実際の現場での事例

「もう死んでしまいたい」と訴える方に、「そんなこと言わないで」と否定したり「頑張りましょうよ!」と励ましたりせず、まずは言葉の奥にある思いを受け止めます。

ゆっくり話を重ねる中で、寂しさや身体の不自由さといった背景が見えてくることもあります。

アルバムを見て懐かしい気持ちを共有したり、機能訓練を提案したりといった、利用者様が生きがいを感じられるような援助が、QOL(生活の質)向上につながるでしょう。 

ポイント

受容の原則では、 利用者様の感情や行動には理由があるとされます。

前向きではない考えや感情、援助者と異なる考え方であっても、否定せず、気持ちを引き出しましょう。 

⑤非審判的態度の原則

利用者様の感情や行動について、 援助者が「良い・悪い」と判断するのではなく、意思を尊重するという考え方です。

実際の現場での事例

食事の好き嫌いが多い利用者様に対して「栄養のバランスが悪いですよ」と指摘したり、無理に食べさせようとしたりするのはNGです。

「何か食べたいものはありますか?」「〇〇なら食べられそうですか?」と選択肢を用意し、利用者様の意思を尊重する姿勢が信頼関係構築につながります。

ポイント

援助者は、客観的な視点を持ち、利用者様がご自身の力で問題を解決し、その人らしくいられるように支援しましょう。 

⑥自己決定の原則

利用者様自身が選択し、決定できる権利(自己決定)は、その方の尊厳を守るということです。

実際の現場での事例

日々の生活は、以下のように小さな自己決定の連続です。

・朝食に何を食べるのか

・どんな服を着るのか

・どんな活動をするのか

・何時に寝るのか

しかし、介護が必要な状況になると、自己決定の機会が少なくなり「今日は〇〇にしましょう」と、介護する側が決めてしまうケースが増えてしまうことも。

日常の小さなこと、例えば「ごはんとパン、どちらが良いですか?」「この服と子の服、どちらの服にしましょうか?」と選択肢があるだけで、自分らしく過ごせるようになるでしょう。

ポイント

課題やニーズに向き合い、人生の選択をするのは利用者様自身です。

メリット・デメリットの提示や内容の説明など、必要な情報を分かりやすく提供し、自分らしい選択をサポートしましょう。

利用者様が意思表示することが難しい場合でも、気持ちを引き出す工夫が必要です。

⑦秘密保持の原則 

利用者様の個人情報や打ち明けてくれた個人的な話など、職務上知り得た内容は、外部に漏らしてはいけません。

信頼関係を築き、安心してサービスを受けていただく上で遵守しなければいけない介護職員の義務のひとつです。 

実際の現場での事例

利用者様から個人的な悩みを打ち明けられた際、話の内容を他の利用者様や他の介護職員に「〇〇さんって、〇△らしいですよ」と話題にするのは厳禁です。

職務上必要な場合であれば、守秘義務のある範囲で、適切に情報を共有しましょう。

ポイント

秘密保持は介護職にとっての義務であると同時に、利用者様の秘密を守り、信頼関係を築く上でも重要です。

休憩中の何気ない会話の中でも、情報漏洩につながることもあります。

「うっかり話してしまった」とならないように、注意しましょう。

バイスティックの7原則の3つの方向性

バイスティックの7原則には、利用者様と援助者の援助関係に相互作用をもたらす3つの方向性があります。

それぞれ詳しくみていきましょう。 

第一の方向(利用者様のニーズ)

バイスティックの7原則は、以下のように利用者様のニーズに沿った内容になっています。

原則名利用者様の気持ち
個別化の原則自分らしく生きられるよう、一人の人間として尊重してもらいたい
意図的な感情表出の原則怒りや喜びなど、どんな気持ちも隠さずに安心して話したい
統制された情緒的関与の原則弱さや失敗があっても、私の価値を認め、一人の人間として大切な存在として扱ってほしい
受容の原則私をあるがまま受け入れてほしい
非審判的態度の原則私の行動や気持ちに対して非難や否定はしてほしくない。一緒に考え、寄り添ってほしい
自己決定の原則  自分のことは自分で決めたい。気持ちを尊重しながら選択をサポートしてほしい
秘密保持の原則個人的なことや誰にも知られたくない話は、秘密を守ってほしい

このように「自分らしくいたい」「気持ちをわかってほしい」などの気持ちを大切に受け止め、ニーズに寄り添います。 

第二の方向(援助者の反応)

利用者様の気持ちを受け止めた援助者は、その気持ちに言葉や態度で応じます。

援助者から利用者様への方向性となる第二の方向であり、信頼関係を深めるポイントになります。

第三の方向(利用者様の反応)

援助者の態度や言葉を受け取った利用者様が「この人なら安心できる」「話してよかった」と信頼を寄せた際の反応が、第三の方向性です。

信頼が深まれば、より良い援助関係を築き、問題解決への一歩になるでしょう。

まとめ

バイスティックの7原則は、利用者様を「かけがえのない一人の人」として尊重する考え方です。

利用者様の小さな表情の変化、言葉の奥に隠された想いに気づき、心で寄り添うことが信頼関係の第一歩です。

国家試験対策だけでなく、日々の介護現場でも役立つ知識です。各原則の意味を理解し、現場でどう活かすかを意識することが大切です。

バイスティックの7原則を日々のケアで実践していただき、利用者様とともに「信頼を築き、時間を一緒に紡いでいく」温かいケアを提供していきましょう。

参照:厚生労働省 相談支援の流れ

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白ゆり介護メディア編集部

いかに白ゆりの魅力を伝えるかを常日頃考えている介護メディア担当です。
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