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介護現場のOJTとは?メリット・デメリットと成功のポイントを解説

介護現場のOJTとは?メリット・デメリットと成功のポイントを解説

介護の現場で、新人職員が実務を通して学ぶ教育方法をOJTと呼びます。中堅の職員であれば、新人指導を行ったことがある方もいらっしゃるのではないでしょうか。

OJTの意味や目的を理解し、実施の際のポイントを押さえておくことは、指導の効果を最大限に引き出すために欠かせません。

この記事では、介護現場におけるOJTの特徴やメリット・デメリット、成功のためのポイントについて解説します。ぜひ最後までお読みください。

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OJTとは?介護現場での重要性

介護の現場では、新人職員は先輩職員からのOJTを受け、一人立ちまでのステップを上がっていきます。

介護の仕事は覚えないといけないことが非常に多く、未経験で入職された方にとっては大きな負担となる場合もあります。移乗やおむつ交換の手順を覚えるのも一苦労ではないでしょうか。
たとえ頭の中で理解していても、実際に行ってみると上手くいかず、落ち込んでしまうかもしれません。

身体の使い方など、ある程度は感覚的に身に付ける必要があるため、OJTによって実際の業務に携わることで、未経験の方でも理解しやすくなることでしょう。

そもそもOJTとは?

OJTの正式名称は「On the Job Training」です。日本語では「職場内訓練」や「現場教育」とも呼ばれ、現場で実際に働きながら業務やスキルについて学ぶことを指します。

介護の現場に限らず、現場での実践的なスキルが必要になるさまざまな業種で取り入れられている方法です。

OJTの4つのステップ

OJTは4つのステップで構成されており、 Show(やってみせる)、Tell(説明する)、Do(実際にやってみる)、Check(評価・指導)と段階を踏んでいくことで、一人立ちが可能になります。
OJTの基本的な流れを確認しておきましょう。

① Show(やってみせる)

まずは指導者が、実際の利用者様の移乗介助やおむつ交換などの業務を行い、手本を見せます。視覚的に介助方法や業務の流れをつかんでもらうことが目的です。

② Tell(説明する)

手本として見せた業務について、「なぜこれを行うのか」「どのような点に注意が必要か」など、業務における背景や考え方を伝えます。

③ Do(実際にやってみる)

指導者が手本として見せた業務を、実際に新人職員に行ってもらいます。間違いがあればその場で修正、アドバイスをします。

④ Check(評価・指導)

新人職員が行った業務について、指導者が評価やアドバイスをします。
うまくいかなかった理由や改善点とともに、上手くできた部分についてもどういう所が良かったのかを具体的に伝えることが大切です。
これによって、新人職員は自身の習熟度を客観的に捉えることができます。

Off-JTとの違い

OJTとよく似た言葉で、「Off-JT(Off the Job Training)」があります。こちらは現場での実務とは異なり、現場から離れた場所で行われる研修のことです。

Off-JTは主に座学の形式をとり、業務に必要な知識やスキルについて体系的に学ぶことができます。また、必要に応じてロールプレイによる基本的な介助方法の習得も可能です。

他にも、会社の理念や敬語の使い方、ビジネスマナーなどの学習に適しています。
OJTとOff-JTはそれぞれに適した研修内容があり、新人教育には両方を並行して行うことが大切です。

介護現場でのOJTの目的

介護の現場でOJTを行う目的は、Off-JTだけでは伝えきれない実践的なスキルや知識を習得することにあります。

指導者のそばに立って、実際の業務を目にすることで、仕事をより具体的に理解することが可能です。

Off-JTと異なり、通常業務を止めることなく新人の育成を行うことができるため、即戦力の育成にもつながります。

介護現場におけるOJTのメリット

実践的なスキルが求められる介護業界において、OJTは最も適した新人育成の方法と言えます。介護現場でOJTを行うことのメリットをいくつかご紹介します。

実践的なスキルの習得が可能

基本的な介助方法を事前に学んでいても、利用者様によって介助方法は大きく異なります。拘縮が強く、着脱や移乗にテクニックを要する場合など、Off-JTだけで個々のケースに応じた介助方法を伝えきるのは困難です。また、日々変化する利用者様の状態に合わせて介助方法を変えることは、相応の現場経験がなければできません。

一人ひとりに適した具体的な介助技術を身につけるには、指導者とともに現場に入り、実際の介助を観察することが、最も効果的な学習方法です。OJTが介護の現場で定着しているのはこのような背景があるためです。

個人の習熟度に合わせた指導

Off-JTでは複数名の新人職員に対して研修を行うことも多いですが、新人職員には前職の経験や習熟度に差があるため、一律に同じ内容を教えることは効率的と言えない場合があります。同じ内容を教えても、一人ひとりの理解度に差が生じるため、新人職員によっては理解しきれないまま研修を終えてしまうことにもなりかねません。

OJTでは、 指導者と新人職員との1対1を基本とするため、指導者は相手の習熟度に合わせて教える内容や伝え方、研修のスピードなどを臨機応変に調整することができます。すでに理解していることを一から説明することもなくなりますので、効率的に教育を進めることが可能です。

指導者自身のスキルアップ

OJTでは、新人職員だけではなく、指導者の成長も期待できます。
新人教育に携わることは、自身が行っているケアの見直しや仕事への取り組み方についてあらためて考える機会になります。

また、新人職員に合わせて説明の仕方を変えたり、相手の意欲を引き出せるように言葉を選んだりすることは、マネジメントスキルの習得にも有効です。
OJTは、新人職員だけでなく既存の職員のスキルアップにもつながります。

新人職員の不安軽減と定着率向上

新しい職場に不安を感じる人は少なくありません。そんな中でも新人職員は早く仕事に慣れて、業務の一人立ちをしたいと思うことでしょう。

現場で実際の業務に携わることで、指導者はもちろん、他の職員とも自然とコミュニケーションを図る機会が多くなります。

早い段階で現場に合流することは、職場への早期対応につながり、定着率を高めることにもつながります。

OJTは単に業務の習得だけでなく、新人職員の不安を軽減させる意味でも効果的といえるでしょう。

介護現場におけるOJTのデメリット

OJTは介護現場に適した新人育成の方法ですが、デメリットも存在します。
あらかじめ知っておくことで、事前に対策を立てることが可能です。
介護現場におけるOJTのデメリットをご紹介します。

指導者の業務負担の増加

通常業務を行いながら新人への指導も進めないといけないため、指導者の業務負担は大きく増えることになります。

さらに、新人職員がしっかりと一人立ちできるかどうかのプレッシャーを感じ、心理的な疲労が溜まりやすくなることも見過ごせません。

指導者一人に負担が集中しないように、不在時のOJTの代役を決めておくことや、指導者が抱える業務の見直しを行うなど、職場全体でフォローできる体制を整えておくことも必要です。

OJT効果に個人差が出ることがある

OJTの特徴として、新人職員の経験年数や理解力の差、指導者の説明力やマネジメント能力の差が、新人育成のスピードにも影響することが挙げられます。

統一された社内研修のマニュアルがあれば、誰がどのように教えても一律の効果が見込めます。しかし人対人を根本とするOJTでは、臨機応変な対応が出来る反面、効果にばらつきが出やすいのも事実です。

新人職員が介護経験者であれば短期間で即戦力として業務を行えますが、未経験であれば知識も技術も一から教えなければいけないため、じっくりと時間をかける必要があります。

そのため、OJTにかかる期間はその新人職員と指導者のスキルによって変動するものと理解し、焦って一人立ちさせたりしないよう落ち着いて対応することが大切です。

体系的な知識習得の難しさ

OJTは実際の業務における実践が中心となるため、業務一つひとつへの理解は深まるものの、全体像が把握しにくいというデメリットがあります。

Off-JTでは、基礎から応用に至るまで順序立てて学習できるメリットがあるため、知識を体系的に身につけることが可能です。

OJTだけでなく、 Off-JTも併用して新人教育を行うことで、お互いのデメリットを補完し合い、研修の効果を最大限に引き出すことができます。

介護現場でのOJTを成功させるためのポイント

OJTのメリットを活かし、デメリットを極力減らすためには、事前の準備から実施後のフォローまでしっかりと行わなければなりません。

ここでは、OJTを成功させるためのポイントについて解説いたします。

明確な目標設定と計画の共有

OJTを始める前に、ある程度の研修スケジュールを設定しておきましょう。
「何を、いつまでに、誰が教えるのか」を明確にしておくことで、担当者が変わってもスケジュールに沿って新人教育を進めていくことができます。

職場で共通のOJT計画表やチェックシートを事前に作成しておくとスムーズでしょう。
また、厚生労働省が「介護技術に関する評価チェックシート」を作成しているため、そちらを活用しても良いでしょう。

新人職員側にとっても、いつまでに何を出来るようになるべきか目標がはっきるするため、戸惑うことや必要以上に焦ってしまうことを防げます。

出典:厚生労働省 「介護技術に関する評価チェックシート」

フィードバックと振り返りの実施

定期的にフィードバックの機会をとることで、新人職員の理解度を確認でき、今後の改善点や目標の調整ができます。

指導者側は教えたつもりでも、新人職員側にはしっかりと伝わっていなかったり、新人職員に疑問や不安な点があっても、タイミングを逃して聞けなかったりすることは意外と多いものです。

フィードバックやOJT後の振り返りは、新人職員とのコミュニケーションを取る絶好の機会でもあります。お互いの認識のずれを解消しながら、信頼関係の構築にも役立つため、必ず実施しましょう。

職場全体でのサポート体制

新人教育は指導者だけではなく、職場全体で行う意識が大切です。

通常業務と新人教育を同時に行う指導者にとっては、業務負担とプレッシャーとで大きな負荷がかかります。

指導者の業務を別の職員がフォローしたり、OJTの代役とも連携しながら、職場全体で協力して行っていくことを目指しましょう。

Off-JTとの併用による補完

Off-JTの併用によって互いのデメリットを補完し合うことがOJT成功のポイントです。

OJTによって現場の業務は確実に行えるようになっても、利用者様の体調不良時の対応や医療面の知識などを、OJT中に学習する機会を得ることはなかなか難しいでしょう。

このような知識の習得に関してはOff-JTのほうが適正が高く、OJTとOff-JTを併用して、知識と技術をバランスよく学ぶことが大切です。

まとめ

介護現場でのOJTは、実践を通じて新人職員が業務や介助技術を習得できる有効な教育方法です。現場での経験によって理解を深めるとともに、指導者のスキル向上にもつながります。OJTには課題もあるため、Off-JTとの併用や職場全体での支援体制、定期的なフィードバックの実施などをしっかりと行うことが、成功のカギとなります。

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白ゆり介護メディア編集部

いかに白ゆりの魅力を伝えるかを常日頃考えている介護メディア担当です。
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