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【チェックリスト有】介護施設の感染症対策|中堅職員が押さえるべき基本と実践ポイント

【チェックリスト有】介護施設の感染症対策|中堅職員が押さえるべき基本と実践ポイント

インフルエンザやノロウイルスは、毎年のように流行を繰り返しています。

特に介護施設ではわずかな油断や対策の緩みをきっかけに、感染が広がり、クラスター化するケースも少なくありません。

介護現場の感染症対策は、日常的な予防と発生後の早期発見、早期対応が大切です。

この記事では、介護施設において改めて見直したい感染症対策の基本、高齢者がかかりやすい感染症、主な感染経路、発生時の対応までを整理して解説します。

現場でそのまま使えるチェックリストも掲載していますので、日々の振り返りや職員間の確認にもぜひご活用ください。

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介護施設における感染症対策の重要性

介護施設では、利用者様と職員の接触機会が多く、共有スペースや共有物品も多いことから、短期間で集団感染(クラスター)へと拡大する可能性があります。

厚生労働省による「介護現場における感染対策の手引き」でも、感染症対策において標準予防策と感染経路別予防策を基本とすることが示されています。

感染症の症状や感染経路、対策に関する基礎知識を十分に備え、チーム全体で感染症対策を継続できるようにしなければなりません。

出典:厚生労働省老健局「介護現場における感染対策の手引き 第2版(令和3年3月)」P8

高齢者の感染リスクと重症化の危険性

介護施設の利用者様は加齢による免疫力の低下から、若い人に比べて高齢者は少量のウイルスでも発症しやすく、重症化に至ることも少なくありません。

さらに、糖尿病や慢性腎不全、心臓病などの基礎疾患があると、免疫機能の低下が見られることもあり注意が必要です。

出典:厚生労働省老健局「介護現場における感染対策の手引き 第3版(令和5年9月)」P81

高齢者の感染リスクを高める要因

介護サービスを受ける高齢者の感染リスクを高める要因として、認知機能の低下が挙げられます。

手洗いやマスクの着用、咳エチケットなどの継続が難しい点や、ご自身の状態をうまく伝えられないことによる発見の遅れが、感染を拡げる要因になります。

また、介護サービスは入所、通所、訪問など、サービス形態をまたいで提供されるため、利用者様が異なる環境や人と接する機会が多いという特性があります。その結果、職員は複数の利用者様と関わることから、意図せず病原体を媒介し、感染症が広がるリスクがあります。

感染症対策には、利用者様自身の対策だけではなく、職員一人ひとりの行動が大切になります。

参照:厚生労働省老健局「介護現場における感染対策の手引き 第2版(令和3年3月)

【チェックリスト】介護施設で実践すべき感染症対策

以下のチェックリストは、介護施設で特に押さえておきたい感染症対策を、日常業務の視点で整理したものです。

ご自身の職場での状況を振り返り、見直しが必要な点を確認してみましょう。

【現場の感染症対策チェックリスト】

☐ 1ケアごとに手指衛生を実施している

☐ 手袋を外したあとも必ず手指衛生をしている

☐ マスクの裏表・上下を正しく理解して着用している

☐ 手袋をしたまま別の利用者様や環境表面に触れていない

☐ 排泄介助、創処置、嘔吐物処理では必要な個人防護具を選べている

☐ 嘔吐物・排泄物処理キットの保管場所と内容物が全職員に共有されている

☐ 次亜塩素酸ナトリウムは作り置きせず、希釈倍率についてもすぐに答えられる

☐ ドアノブ、手すり、スイッチ、車椅子グリップ、ベッド柵など高頻度接触面を定期的に清拭している

☐ 共有パソコン、電話、マウス、共有端末など職員の共有物に消毒ルールがある

☐ 利用者様の食事量、活気、咳、下痢、体温などにおいて、いつもと違う様子があれば記録・共有できている

☐ 職員の出勤前に体調確認の仕組みがある

☐ 職員に発熱や咳症状があるときの対応についてルールが定められており、周知されている

チェックができなかった項目は、個人の努力不足だけではなく「仕組み化できていない部分」がないかを見るのがポイントです。

感染症対策は、正しい知識と、誰もが同じように対応できる仕組みの両方がそろってはじめて機能します。

知っておくべき感染症の基礎知識

感染症とは

感染症とは、細菌、ウイルス、真菌などの病原体が体内に侵入して増殖することで、発熱や下痢、咳などの症状が現れる病気です。

病原体によって症状に違いがあり、感染症を見分けるポイントになります。

感染経路や感染源は病原体によって異なり、それぞれの感染症に応じた予防や対策が必要です。

出典:厚生労働省老健局「【第3版】感染症マュアル概要版 訪問系(令和5年12月)」P1

感染症成立の3要因と3つの柱

厚生労働省は、感染症対策として3つの柱を掲げています。

感染症は、病原体」「感染経路」「感受性宿主」の3つの要因が重なることで成立するため、それぞれに対策することが大切です。

【感染症対策の3つの柱】

病原体の排除:消毒や殺菌による病原体の死滅や、感染者の早期発見と治療

感染経路の遮断:「持ち込まない」「持ち出さない」「拡げない」ために、ケアのあとの手洗いや 手指消毒、個人防護具(PPE)の適切な使用

感受性宿主対策:低栄養や睡眠不足の解消、ワクチンの予防接種などによる感染症に対する免疫力の向上

出典:厚生労働省老健局「介護現場における感染対策の手引き 第3版(令和5年9月)」P5

高齢者がかかりやすい主な感染症

集団感染や重症化につながりやすい感染症をあらかじめ理解しておくことが大切です。

ここでは、介護現場で特に注意が必要な感染症について解説します。

インフルエンザ

インフルエンザは、気温が低く空気が乾燥する冬場に流行しやすい感染症です。

発症すると、38~40℃の突然の高熱と、強い倦怠感、関節痛や筋肉痛、呼吸器症状などが現れます。

腹痛、下痢、嘔吐などの消化器症状がみられる場合もあります。

特に体力が低下した高齢者は重症化しやすく、高熱などの典型的な症状が出にくいこともあるため、注意が必要です。

予防にはワクチン接種や窓の換気、消毒用エタノールによる消毒が有効です。

ノロウイルス(感染性胃腸炎)

牡蠣などの二枚貝の生食や、感染者の手指、便、嘔吐物を介して感染が拡大します。

感染力は非常に強く、激しい嘔吐や下痢、腹痛、微熱などの症状がみられます。

通常は1〜2日で治癒しますが、高齢者は重症化しやすく、下痢と嘔吐によって脱水症状も起こしやすいため注意が必要です。

嚥下障害があると、嘔吐物を誤嚥したり、窒息につながったりするリスクもあるため、横向きに寝るなどで対応します。

ノロウイルスはアルコール消毒では死滅しないため、石鹸と流水を用いた手洗いをしっかり行います。

嘔吐物や排泄物は乾燥すると飛散するため、ペーパータオルなどで静かに拭き取り、その後に次亜塩素酸ナトリウムで拭き取ることが大切です。

結核

結核菌によって引き起こされる慢性感染症で、咳、痰、微熱、倦怠感、体重減少などが主な症状です。

咳が2週間以上続く場合は結核を疑います。

高齢者では咳や痰の症状がほとんど出ずに食欲不振や全身の衰弱のみがみられる場合もあります。

感染経路は、感染者の咳などによる空気感染です。

過去に感染し、無症状で過ごしていたものが、一時的な免疫力の低下によって再び活性化して発症するケースも多くみられます。

早期発見のためには、定期健診での胸部X線検査が重要です。

帯状疱疹

帯状疱疹は、過去に感染して体内に潜伏していた水痘・帯状疱疹ウイルスが、加齢や免疫低下によって再活性化することによって発症します。

神経に沿って帯状の発疹や水ぶくれが現れ、強い痛みを伴うことがあります。

予防にはワクチン接種が有効です。2025年度以降は65歳からの定期接種の対象にもなっています。

皮膚症状が治まったあとも、帯状疱疹後神経痛が長く残る場合があります。


出典:厚生労働省老健局「介護現場における感染対策の手引き 第3版(令和5年9月)」P66

主な感染経路

介護現場で特に重要なのは、接触感染、飛沫感染、空気感染の3つです。

厚生労働省は、感染経路別予防策としてこの3つの経路の遮断を基本としています。

1.  接触感染

接触感染は感染者への直接接触、汚染された環境や物品を介した間接接触によって起こり、介護現場で最も多いとされています。

ノロウイルス、O157などの腸管出血性大腸菌、疥癬、MRSA(薬剤耐性菌)、新型コロナウイルスなどが接触感染によって拡がります。

汚染物に触れた手で口や鼻、目をこすると、病原体を体内に取り入れることにつながるため注意しましょう。

排泄物、嘔吐物、汗以外の体液などには病原体が含まれていることが多く、排泄介助やおむつ交換、口腔ケア、食事介助、清拭などのケア後は手洗いが必要です。

2. 飛沫感染

飛沫感染は、咳やくしゃみ、会話などで飛び散った感染源の粒子が鼻や口、結膜などに付着することで発生します。

インフルエンザウイルス、新型コロナウイルスなどが飛沫によって拡がります。

厚生労働省の定義では、1〜2m程度の距離まで飛沫が届くとされ、大勢が集まる食堂やレクリエーションの場、送迎車の車内などの狭い場所では注意が必要です。

マスクの着用や咳エチケット、対面距離への配慮が予防になります。

感染者の食事介助や更衣介助を行う際は、正面には立たずに斜め横から介助しましょう。

3. 空気感染

空気感染は、病原体を含んだ水分が蒸発したあとの飛沫核を吸い込むことで起こります。

飛沫核は微細で非常に軽く、長時間空中を漂うため、通常のマスク着用では不十分です。

換気やN95などの高性能マスクの使用、結核の疑いのある方への個室対応などが必要になります。

代表例は、結核菌、麻しん(はしか)ウイルス、水痘(みずぼうそう)ウイルスなどです。

出典:厚生労働省老健局「【第3版】感染症マュアル概要版 訪問系(令和5年12月)」P5

感染症対策でよくある失敗例・見落としがちなポイント

感染症対策をマニュアル通りに実施しているつもりでも、気の緩みや普段の慣れによって誤った対応をしていることがあるかもしれません。

ここでは、介護現場で陥りやすい感染対策の失敗例について解説します。

個人防護具(PPE)と手指衛生の誤った運用

【よくある失敗例】

・手袋を外したあとの手指消毒を省略してしまい、そのまま次のケアに入ってしまう

・顎マスクで介助を行う

・ガウンを脱ぎ忘れて居室を出てしまい、慌てて共有フロアで脱いでしまう。

手袋をしているから清潔というわけではありません。

1ケア1手洗い」の徹底が大切です。

手袋やマスク、ガウンはあくまで汚染を拡げないためのものです。

正しい使用方法を守らなければ、感染を拡大させることにもつながります。

PPEの使用は「いつ着けるか」「どこでどのように外すか」が重要です。

嘔吐物・排泄物処理における不備

【よくある失敗例】

・おしり拭き用のホットタオルを汚染した手で取り出してしまい、ホットタオルの容器が汚染された

・ノロウイルスの感染が疑われる嘔吐がみられたが、次亜塩素酸ナトリウムの保管場所や希釈倍率がわからない

ノロウイルスは初動の遅れがそのまま感染拡大につながるため、処理キットの保管場所や希釈倍率は職員全員に周知されている必要があります。

おしり拭きの容器が便などで汚染されると、感染源を拡げることになるため、タオルを取り出す際は汚染していない手で取るなど、対策が必要です。

職員の健康管理と自己判断の危険性

【よくある失敗例】

・出勤前に熱っぽさを感じたものの、軽い風邪と自己判断して勤務してしまう

・一緒に食事をした友人に、あとから陽性反応が出たが、自分は症状がないため普段通り出勤してしまう

体調不良時や感染が疑われる場合は、軽症であっても自己判断せず、必ず職場に報告し指示を仰ぎましょう。

周囲への負担を気にして連絡をしなかった結果、感染症が拡がってしまうと、さらに大きな負担につながります。

施設環境の管理不足と認知症利用者様への配慮不足

【よくある失敗例】

・携帯用消毒液を置き忘れてしまい、認知症の利用者様が誤飲してしまった

・職員間で共有するパソコンやマウス、記録用端末の消毒を怠っていた

携帯用の消毒液は手軽に使えて便利ですが、置き忘れても気づきにくい点に注意が必要です。

最近は携帯端末で記録を行う施設も増えていますが、指で直接画面をタップするため、汚染しやすくなります。

使用後は次に使う人のために消毒を行い、清潔を保ちましょう。

組織体制と外部連携の課題

【よくある失敗例】

・夜間や休日の連絡体制があいまいで、管理者の出勤を待ってから報告したため、対応が遅れた

・外部サービスとの連携がとれておらず、感染疑いがある利用者様に訪問マッサージや訪問歯科による施術・治療が行われてしまった

感染が疑われたときの初動対応の遅れは、感染拡大の大きな要因です。

夜間や休日の緊急連絡体制や、代わりに誰が判断するかなどは明確にしておきましょう。

施設では、複数の利用者様が同じ外部サービスを利用していることも多くみられます。

どの利用者様への訪問かを把握しておかないと、サービスをまたいだ感染拡大のおそれがあります。

介護施設で日常的に実践すべき重要な感染症対策

感染症対策は、発症してからの対応だけでなく、感染前に日常的なケアで予防することが大切です。

ここでは、介護施設で実践すべき日々のケアのポイントについて解説します。

スタンダード・プリコーション(標準予防策)の徹底

厚生労働省の「介護現場における感染対策の手引き」では、スタンダード・プリコーションを「感染症の有無にかかわらず、すべての利用者様の血液、体液(汗を除く)、分泌物、排泄物、粘膜、傷のある皮膚は、感染の恐れがあるものとして取り扱う」と定義し、平時のときから感染対策を徹底することが大切であるとされています。

スタンダード・プリコーションは利用者様と職員の両方を感染のリスクから守るための基本的な方針として介護現場でも定着してきています。

出典:厚生労働省老健局「介護現場における感染対策の手引き 第3版(令和5年9月)」P10

スタンダード・プリコーションの具体的な実践内容

スタンダード・プリコーションの実践には、日々のケアの中で病原体を含む可能性のあるものとの接触を防ぎ、拡げないことが大切です。

すべての職員が以下の対策を習慣化することが、施設内の集団感染を阻止する上で特に重要です。

手指衛生

1ケア1手洗い」を徹底し、病原体に汚染された状態や媒介とならないことが大切です。

ケアの前後で手洗いを行い、目に見える汚れがあれば石鹸と流水による手洗いを行いましょう。

汚れがなければアルコール消毒も有効です。

個人防護具(PPE)の適切な使用

近位での介助が必要な場面では飛沫感染を防ぐためにマスクを着用しましょう。

排泄介助や創部処置、吸引、嘔吐物処理などを行う際は、排泄物や血液などに触れる可能性があるため、必ず手袋を着用します。

さらに、必要に応じてガウンやエプロン、ゴーグルなどを適切に選択して使用します。

ただし、PPEの着脱を正しい手順で行えなければ、感染対策にはつながりません。

研修などではPPEを実際に着脱し、正しい手順を身につけるようにしましょう。

咳エチケット

咳やくしゃみをする際には、口や鼻をティッシュや肘の内側で覆うようにして、飛沫を飛ばさないようにしましょう。

施設内の衛生管理と環境整備

施設内の衛生管理は、間接接触による感染対策に効果的です。

高頻度接触面(コンタクトポイント)の消毒

多くの方が手を触れる部分は間接接触による感染経路になりえます。

手すり、ドアノブ、スイッチ、車椅子のグリップ、ベッド柵などは定期的に消毒用エタノールで清拭しましょう。

定期的な換気

2方向の窓を開ける換気を1時間に2回以上数分程度行うことを目安に、外の新鮮な空気と入れ替えましょう。

換気ファンなどによる機械換気も有効です。

出典:厚生労働省老健局「介護現場における感染対策の手引き 第2版(令和3年3月)」P213

リネンと廃棄物の処理

おむつなどの汚染物はビニール袋に密閉し、感染性廃棄物として分別処理します。

汚染されたリネンは他の洗濯物とは分け、80℃・10分間の熱湯消毒、または塩素系薬剤に一定時間漬け込むなど、施設のルールを遵守しましょう。


出典:厚生労働省老健局「介護現場における感染対策の手引き 第2版(令和3年3月)」P20

利用者様・職員の健康管理

高齢者の場合、感染症の典型的な症状が現れにくいケースも多いため、症状だけにとらわれず、普段の様子との違いを観察することが大切です。

バイタルサインや食事量以外に、いつもより活気がない、ぼんやりしている、便の性状が違うなど、小さな変化があれば記録と報告を行いましょう。

利用者様だけでなく、職員も感染者や媒介者にならないように気をつけます。

予防接種などによる免疫力の維持や、出勤前の検温や体調確認の徹底が必要です。

症状がある場合に無理せず休める環境整備も大切になります。

組織的な体制づくり

感染症対策は、個人の取り組みだけでなく、施設運営全体で進める必要があります。

介護施設・事業所におけるBCP(業務継続計画)の策定が、努力義務とされていた措置期間を経て2024年4月から完全義務化となりました。

BCPとは、災害や感染症が発生した場合に、人員や物資の不足への備えや、優先すべき業務や応援体制を事前に定めることです。

感染症対策には、感染症対策委員会の設置と定期的な開催、感染対策における指針やマニュアルの整備と共有、職員の研修、BCPの策定と運用が必要です。


出典:厚生労働省「介護施設・事業所における感染症発生時の業務継続ガイドライン」P2

介護施設で感染症が発生した場合の対応

感染症が疑われる利用者様や職員が出たときは、現場だけで判断せず、情報を集約し、組織的に対応することが大切です。

異常を察知したときは、抱え込まずに他の職員や管理者に相談しましょう。

ここでは実際に介護施設で感染症が発生した場合の対応について解説します。

1.発生状況の把握と初動対応

感染が疑われた際、最初に行うのが症状の確認と報告です。

発熱、咳、下痢、嘔吐、食欲不振などの症状が「いつ・誰が・どこで・どの程度」みられたかを時系列で記録し、報告することが大切です。

これらの記録をラインリストでまとめておくと、感染拡大の把握と外部報告の両方で役立ちます。

管理者や看護職員、感染対策担当者などに報告し、必要に応じて協力医療機関に受診や検査の必要性について指示を仰ぎましょう。

感染症が特定されたら保健所と協力し、発症前からの接触があった人のリストアップと、状態の観察を行います。

2.感染拡大の防止

感染拡大を防止するためには、ゾーニング(区域分け)やコホーティング(集団隔離)によって感染者と非感染者を物理的に分けることが大切です。

感染者のエリアとそれ以外のエリアに分け、それぞれの動線を分断することで、感染者と非感染者の接触を防げます。

施設が複数の階(フロア)に分かれている場合は、フロア単位のゾーニングも有効です。

感染者は個室対応を基本とします。

症状が解消しても、感染症に応じた待機期間が過ぎるまでは個室対応の継続が必要です。

一人の職員が複数の利用者様のケアを行う場合、非感染者 → 濃厚接触者や感染疑いの方 → 感染者の順番になるように一方通行の動線を設定します。

職員や物品が逆戻りしないように環境設定を行い、誰がみてもわかるように明示するとよいでしょう。

出典:厚生労働省老健局「介護現場における感染対策の手引き 第3版(令和5年9月)」P60

3.行政への報告と外部連携

厚生労働省の通知では、次のいずれかに該当する場合、市町村等主管部局へ直ちに報告し、保健所へ報告して指示を求めることとされています。

・同一の感染症または食中毒による死亡者・重篤患者が1週間以内に2名以上発生した場合

・同一の感染症の患者または疑われる者が10名以上、または全利用者の半数以上発生した場合

・それ以外でも、通常の発生動向を上回り、施設長が報告を必要と認めた場合

疫学調査への協力のために、勤務表、ケア記録、面会者リストなどを求められた際はすぐに出せるよう準備しておきましょう。

出典:厚生労働省「社会福祉施設等における感染症等発生時に係る報告について

4.利用者様・ご家族への配慮

感染症対策では、感染拡大防止だけでなく、利用者様やご家族の不安に対する配慮も欠かせません。

認知症の利用者様にとっては、突然の個室対応に不安を感じることも多くなります。

なじみの職員による声掛けや環境調整を優先することで不安を和らげるようにしましょう。

ご家族にも利用者様の状況や対応、予後、面会制限などについての連絡を行い、理解と協力を求める必要があります。

情報の不足は不信感にもつながるため、丁寧な説明が大切です。

必要に応じてオンライン面会などを活用し、安心感が得られるようにしましょう。

まとめ

介護施設の感染症対策は、発生後の対応だけでなく、日頃からの予防の積み重ねが大切です。

特に中堅職員は、手指衛生やPPEの正しい使用、環境整備、体調変化の早期発見を現場で徹底し、職員全体が同じ対応を取れるよう働きかける役割があります。

感染症の特徴や感染経路を理解し、発生時の初動対応や連絡体制まで含めて備えておくことで、利用者様と職員を守り、施設全体の感染拡大の防止につながります。

白ゆり介護メディア編集部

いかに白ゆりの魅力を伝えるかを常日頃考えている介護メディア担当です。
白ゆりの魅力と一緒に、介護職の皆さんのプラスになる知識やお悩みの解決につながる情報も発信しています。

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