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生産性向上推進体制加算をわかりやすく解説!算定要件や取得のポイントまとめ

2024年の介護報酬改定により、「生産性向上推進体制加算」が新設されました。
新設されたばかりの加算のため、「具体的にどういう制度なのかわかりづらい」「取得方法が知りたい」と感じている方も多いのではないでしょうか。
今回は、この加算がどのような制度なのか、取得のための条件や大切なポイントまで、わかりやすく解説していきます。
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目次
生産性向上推進体制加算の概要と新設の背景
「生産性向上推進体制加算」は、より良い介護サービスの提供と、介護現場の働きやすさ向上への取り組みについて評価するために設けられました。
ここでは、加算の基本的な考え方や、なぜ新設されたのか、見ていきましょう。
生産性向上推進体制加算とは?
生産性向上推進体制加算とは、介護現場の質の向上と働きやすい職場づくりを目的とした制度です。
特に、以下の4つの点に重点を置いています。
・利用者様の安全を守ること
・質の高い介護サービスを提供すること
・介護職員の負担を軽減すること
・ICT化の促進すること
ICT機器の導入によって業務の効率化を図り、職員の負担を軽減することで、利用者様へのより質の高いケアを目指します。
生産性向上推進体制加算の新設の背景
日本の介護業界は、深刻な人手不足という課題を抱えています。
高齢化が進み、介護を必要とする人は増え続ける一方で、介護の担い手の確保が難しいのが現状です。
このような状況で質の高い介護サービスを提供するためには、介護職員の待遇を改善すること、業務の効率化によって生産性を高めることが必要です。
そこで、ICTなどのテクノロジー機器を積極的に活用したり、働きやすい職場環境を整えたりすることで、介護職員のスキルアップや待遇改善を図るため、この加算が設けられました。
対象となる介護サービスと施設
この加算の対象となるのは、以下の4つ区分と16種類の介護サービス施設です。
| 区分 | 対象サービス名 |
| 施設サービス | ・介護老人福祉施設・介護老人保健施設・地域密着型介護老人福祉施設入所者生活介護・介護医療院 |
| 短期入所系サービス | ・短期入所生活介護・短期入所療養介護・介護予防短期入所生活介護・介護予防短期入所療養介護 |
| 居住系サービス | ・特定施設入居者生活介護・地域密着型特定施設入居者生活介護・認知症対応型共同生活介護・介護予防特定施設入居者生活介護・介護予防認知症対応型共同生活介護 |
| 多機能系サービス | ・小規模多機能型居宅介護・看護小規模多機能型居宅介護・介護予防小規模多機能型居宅介護 |
※通所介護や訪問介護、福祉用具事業所などは対象外ですので、ご注意ください。
参照:厚生労働省 令和6年度介護報酬改定における改定事項について
生産性向上推進体制加算の算定要件
生産性向上推進体制加算には、「加算(Ⅱ)」と「加算(Ⅰ)」という2つの区分があります。
まずは「加算(Ⅱ)」の要件をクリアし、さらにその上の「加算(Ⅰ)」を目指すのが一般的な流れです。
ここでは、それぞれの算定要件について詳しくご紹介します。
加算(Ⅱ)の算定要件
「加算(Ⅱ)」取得の算定要件は以下のとおりです。
要件を満たすと、月に10単位が取得できます。
・利用者様の安全とサービスの質を守るための委員会の開催と安全対策の実施
利用者様の安全やサービスの質の確保、職員の負担軽減の対策について検討する委員会を開くことが必要です。
具体的には、介護事故の再発防止策の検討や介護機器の定期的な点検、介護職員へのアンケートによる人員配置や職員研修、処遇の改善などを事業所内で話し合います。
・テクノロジー機器を1つ以上導入
以下のテクノロジー機器を、1つ以上導入することが必要です。
・見守り機器
・介護記録ソフトウェア
・インカムなど
・生産性向上ガイドラインに沿った業務改善の実施
厚生労働省が示している「生産性向上ガイドライン」に沿って、業務の進め方や職場の環境を見直して、より働きやすい職場環境を目指す取り組みが必要です。
あわせて、介護機器を導入している現場では、介護職員の労働時間や残業時間、利用者様の満足度の変化などをアンケート調査し、状況を把握します。
さらに、職員の年次有給休暇の取得状況も確認することが必要です。
・年に1回、現状のデータを提出
業務改善の取り組み状況として、利用者様のQOLや職員の労働時間・有給休暇取得状況などの現状を、年に一度、厚生労働省の所定の様式で報告することが義務付けられています。
なお、加算(Ⅱ)では「改善・向上したこと」の証明までは求められておらず、現状の把握・報告が要件です。
加算(Ⅰ)の算定要件
加算(Ⅰ)の取得には、加算(Ⅱ)の要件を満たしたうえで、さらに以下の要件が求められます。
要件を満たすと、月に100単位が取得できます。
・「加算(Ⅱ)」の条件をすべて満たしている
基礎となる加算(Ⅱ)の安全対策やサービスの質の向上、職員の負担軽減などすべての条件をクリアしていることが必要です。
・テクノロジー機器を複数導入
以下のテクノロジー機器を3種類すべて導入する必要があります。
・見守り機器
・介護記録ソフトウェア
・インカムなど
特に見守り機器については、すべての居室に導入(利用者様やご家族様の意向に応じての利用)されていることが、算定条件となります。
参照:厚生労働省 令和6年度介護報酬改定 生産性向上推進体制加算について
・介護助手の活用など、職員の役割分担の取り組み
食事の配膳や片付けや居室の清掃、物品の準備・補充など介護以外の業務を介護助手が担当し、介護職員が利用者様のケアに専念できる体制作りも求められます。
・1年に1回、改善の成果をデータで提出
加算(Ⅱ)と同様に年1回、厚生労働省の所定の様式で実績を報告します。加算(Ⅰ)では、加算(Ⅱ)とは異なり、業務時間の短縮やQOLの維持・向上など、成果が確認できることが算定要件となります。
さらに、次の取り組みも必要です。
・介護機器を使いながら、生産性向上の取り組みを3ヶ月以上続けること
・介護機器を導入する前と後で、どのような変化があったかを確認すること
生産性向上推進体制加算の取得のためのポイント

生産性向上推進体制加算を取得する大切なポイントは、次の5つです。
・生産性向上ガイドラインの把握
・生産性向上へ向けた委員会の設置、運営
・テクノロジー機器の選定・導入
・介護助手の活用
・業務改善の取組による効果を示すデータ
それでは、一つずつ詳しく見ていきましょう。
生産性向上ガイドラインの把握
「介護現場の生産性を上げたいけれど、何から始めたらいいんだろう?」と悩む方もいるかもしれません。
厚生労働省から、介護サービスごとに「生産性向上に資するガイドライン」が作成され、業務改善の具体的な事例や改善活動の進め方などが紹介されています。
生産性向上ガイドラインを活用し、委員会を立ち上げ、改善計画を検討していきましょう。
参照:厚生労働省 介護サービス事業における生産性向上に資するガイドライン 改訂版
生産性向上へ向けた委員会の設置、運営のポイント
生産性向上推進体制加算を取得するには、生産性向上委員会を設置し、3ヶ月に1回以上開催する必要があります。
この委員会では、利用者様の安全や介護サービスの向上、職員の負担軽減に向けて、アンケート調査や話し合いを行い、職場全体でより良い取り組みを検討していきます。
管理者、介護職員、ユニットリーダーなど、さまざまな職種のスタッフが集まり、現場のリアルな声や課題を共有することが大切です。
テクノロジー機器の選定と導入
テクノロジー機器(見守り機器・介護記録ソフトウェア・インカムなど)の要件は、以下のとおり加算の種類によって異なります。
加算(Ⅱ):1つ以上
加算(Ⅰ):3つすべて
ここでは、どのようなテクノロジー機器があるのかご紹介します。
見守り機器
見守り機器とは、利用者様の動きを感知するセンサーのことです。
例えば、ベッドから起き上がったときに感知するセンサーマットや、立ち上がりを感知するセンサーなどがあります。
介護職員は利用者様の状況をリアルタイムで把握でき、夜間巡回の負担軽減や、緊急時にもすぐに対応できるようになります。
インカムなど
インカムを活用することで、離れた場所でも職員同士でスムーズにコミュニケーションが取れます。
利用者様の体調変化や、何か困ったことが起きた場合でも、その場からすぐに他の職員に状況を伝えられるので、迅速な対応が可能になります。
介護記録ソフトウェア
これまで紙に手書きしていた記録業務をICTの活用によってデジタル化することで、記録にかかる手間や時間を減らすことができます。
その分、利用者様一人ひとりと寄り添う時間にあてることができるのも大きなメリットです。
さらに、情報がリアルタイムで共有できるようになることで、職員間での情報共有もスムーズになり、よりきめ細やかなケアにもつながるでしょう。
【関連記事】白ゆりグループでは見守り機器、インカム、介護記録ソフトウェアを導入しています!
▶職員の働きやすさ改善!白ゆりグループのICT導入事例をご紹介!
介護助手の活用
加算(Ⅰ)の取得を目指すなら、介護助手の活用も大切です。
例えば、食事の配膳や下膳、施設内の掃除やベッドメイキングといった業務を介護助手にお願いするだけでも、介護職員の負担軽減につながります。
また、介護以外の業務の一部を、外部に委託することも認められています。
介護職員が利用者様のケアに専念できるため、質の高いケアを提供することにつながるでしょう。
「業務改善の取組による効果を示すデータ」とは?
「業務改善の取り組みによる効果を示すデータ」とは、次の項目を指します。
加算(Ⅱ)の場合
以下の3項目について、現状を把握し、年1回、厚生労働省へ実績報告します。加算(Ⅱ)では、成果の達成(改善・向上)までは要件とされていません。
・利用者様のQOL(生活の質)の変化
WHO-5などの指標を使って、利用者の皆さんのQOLがどのように変わったかを報告します。
・総業務時間、残業時間の変化
介護職員の総業務時間や残業時間が、業務改善によってどのように変化したかを報告します。
・有給休暇の取得状況の変化
有給休暇の取得状況がどのように変わったかを報告します。
※「短縮」「維持・向上」などの成果基準は、加算(Ⅰ)の算定要件です。
加算(Ⅰ)は(Ⅱ)の3つのデータに加えて以下のデータと、業務改善でどのような成果が出たのかの確認が必要です。
・心理的な負担の変化
SRS-18などの指標を使って、介護職員の心理的な負担がどう変わったかを報告します。
・ICT機器の導入・活用による業務時間の変化
ICT機器の導入や活用によって、業務時間がどのように変化したかをタイムスタディ調査で調べて報告します。
参照:厚生労働省 令和6年度介護報酬改定 生産性向上推進体制加算について
業務改善の取り組みや効果のデータは、年に1回、所定の様式で厚生労働省へ提出する必要がありますので、忘れずに準備を進めていきましょう。
まとめ
これまで介護職員の方々は、利用者様の安全をご自身の目で確かめ、足を運びながら見守りを行ってきました。
そのため、ICT機器を取り入れた新しい見守りの方法に、最初は戸惑うこともあるかもしれません。
しかし、ICTを活用することによって、介護職員の負担を軽減し、働きやすい環境づくりにつながります。
白ゆりグループでも積極的にICTを導入し、職員同士がスムーズに情報共有を行い、チームケアを大切にしています。
日々の業務の負担を減らすことで、利用者様とのコミュニケーションを充実させ、一人ひとりに寄り添ったケアを提供できるよう取り組んでいます。
より良い介護サービスと職員の働きやすさ、その両方を大切にしたいと考えている施設・事業所の方は、ぜひこの記事を参考に、取得の準備を進めてみてはいかがでしょうか。
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白ゆり介護メディア編集部
いかに白ゆりの魅力を伝えるかを常日頃考えている介護メディア担当です。
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