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ケアプランデータ連携システムとは?義務化は?導入方法やメリット・デメリットを解説

ケアプランデータ連携システムは、居宅介護支援事業所と介護サービス事業所間でケアプランなどのデータを安全に共有できるシステムです。FAXや郵送による書類のやり取りが不要となり、業務効率化やミス防止・コスト削減に大きく貢献します。
厚生労働省も普及を進めており、すでに処遇改善加算の要件にも関わる、介護事業所の運営に欠かせないツールとなっています。そのため、導入は義務なのか、気になる方もいらっしゃるかもしれません。今回はケアプランデータ連携システムの概要や義務化・加算要件化の最新動向、導入方法、メリット・デメリットなどを分かりやすく解説します。
こちらの記事を読むことで、ケアプランデータ連携システムについて学び、今後の導入判断の一助となれば幸いです。
ケアプランデータ連携システム導入を検討している介護事業所の管理者・相談員・ケアマネジャーの方は、ぜひご覧ください。
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目次
ケアプランデータ連携システムとは?
ケアプランデータ連携システムは、居宅介護支援事業所と介護サービス事業所間でケアプランなどのデータを安全かつ効率的に共有できるシステムです。
導入するとFAXや郵送による書類のやり取りが不要となり、事務作業の負担を大幅に軽減できます。公益社団法人国民健康保険中央会が運営し、多くの介護ソフトと連携しているため、異なるソフト間でもスピーディーな情報共有が可能です。
厚生労働省も業務効率化や介護サービスの質の向上を目的に普及を進めており、介護現場における必須のシステムとなりつつあります。
参照:公益社団法人国民健康保険中央会「ケアプランデータ連携システム」
ケアプランデータ連携システムの目的
ケアプランデータ連携システムの目的は、居宅介護支援事業所と介護サービス事業所間で効率的に情報共有を行い、介護現場の業務負担を軽減することです。
これまでケアプランやサービス利用票などの書類は郵送・FAXでのやり取りが主で、事務作業の増加や入力ミスの発生もしやすいことから、職員の大きな負担となっていました。
しかし、システムを導入することで、書類をデジタル形式で安全かつスムーズに情報共有ができるため、転記や二重入力の無駄な作業を減らすことが可能になります。また、迅速にオンラインで情報共有ができるため、サービス調整や書類作成の効率化も実現できます。
このように情報共有や事務業務の効率化によって、利用者様と向き合う時間を確保できるようになり、介護サービスの質の向上につながります。
ケアプランデータ連携システムの仕組み
ケアプランデータ連携システムは、居宅介護支援事業所と介護サービス事業所との間でケアプランやサービス利用票などのデータを安全かつ効率的に共有するシステムです。
まず、各事業所は自分たちが使用している介護ソフトから必要なデータを出力し、システムへアップロードします。次に、受け手となる事業所はシステム上からデータをダウンロードして介護ソフトに取り込み、情報を共有します。
たとえば、異なる介護ソフトを使用している場合であっても、システムに対応している介護ソフトであれば、正確かつスムーズな情報共有が可能です。
このようにケアプランデータ連携システムは、業務負担の軽減やミスの防止、サービスの質の向上にもつなげることができます。
ケアプランデータ連携システムは義務化される?
ケアプランデータ連携システムは、2026年5月時点では法令上の義務化はされていません。
このシステムは2023年4月に本格稼働し、厚生労働省が介護現場の負担軽減や業務効率化の観点から導入を推奨してきました。しかし、2026年度時点では状況が大きく変化しています。現在は以下の2つの制度において、実質的に導入が求められる状況となっています。
① 賃上げ支援の上乗せ要件(令和7年度補正予算)
令和7年度補正予算に盛り込まれた「介護分野の職員の賃上げ・職場環境改善支援事業」において、賃上げ支援の上乗せを受けるための要件として「ケアプランデータ連携システムに加入していること」が設けられました。
② 処遇改善加算の上位区分取得(2026年6月施行)
訪問・通所系サービスで加算の上位区分を算定する際の条件のひとつです。
※施設・居住系サービスは「生産性向上推進体制加算の取得」が対応する要件のため、ケアプランデータ連携システムは必須ではありません。
なお、加入を誓約すれば2027年3月末まで猶予されますが、期限内に利用実績がない場合は加算返還を求められる可能性があるため注意が必要です。
法令上の義務ではないものの、処遇改善加算の上乗せ区分や賃上げ支援の要件として実質的に必須に近い状況となっています。最新の動向は厚生労働省や自治体の公式情報を定期的にチェックしましょう。
ケアプランデータ連携システム導入のメリット
ケアプランデータ連携システムは、業務効率化やコスト削減、データ管理の効率化につながることが大きなメリットです。
ここでは、ケアプランデータ連携システムのメリットを一つずつ解説します。
業務の効率化とサービスの質の向上
ケアプランデータ連携システムを導入すると、居宅介護支援事業所と介護サービス事業所間の書類やデータのやり取りがオンライン上で完結できます。
これまでFAXや郵送で行っていたケアプランやサービス利用票の送受信がデジタル化されるため、印刷・郵送・手入力の手間が減少し、転記ミスも防止できます。
これらの業務効率化により、事務作業に費やしていた時間を大幅に削減でき、利用者様との関わりや支援の時間に充てることが可能です。また、介護ソフト上でのデータ管理が容易になり、業務全体の正確性やスピードが向上します。
結果的に、業務効率化や生産性向上だけではなく、利用者様に質の高い介護サービスを提供できる点は大きなメリットと言えるでしょう。
業務コストの削減
ケアプランデータ連携システムの導入によって、居宅介護支援事業所や介護サービス事業所の業務コストを大幅に削減できます。
システムを導入することで、FAXや郵送、印刷などの事務費や書類作成にかかる人件費を削減できるためです。また、転記作業や入力・送信ミスによる修正対応にかかる時間や人的コストの削減にもつながります。
厚生労働省委託の調査研究によると、人件費を含めると年間約81万6千円の削減効果(※)が見込まれると発表されています。
このように、システム導入による業務コスト削減は、利用者様への還元だけではなく、職員の賃上げや働きやすい職場環境の実現にもつながる大きなメリットと言えるでしょう。
※参照:令和2年度介護分野の生産性向上に向けた ICT の更なる活用に関する調査研究報告書 P88
※全国平均の試算値であり、事業所の規模や運用状況によって異なります
データ管理の効率化
ケアプランデータ連携システムを導入すると、居宅介護支援事業所や介護サービス事業所におけるデータ管理の効率化が実現します。
これまでは紙の書類を保管・検索する手間が大きく、紛失や破損するリスクもありました。しかし、システムを通じて受け取ったデータを介護ソフト上でデジタル管理できるようになることで、紙での保管・検索の手間を削減し、必要な情報をスムーズに取り出すことができます。
このように、ケアプランデータ連携システムは効率的な情報共有と安全なデータ管理を両立し、事業所全体の情報管理の強化につながります。
ケアプランデータ連携システム導入のデメリット

ケアプランデータ連携システムはメリットがある一方、登録作業や費用負担、定着に時間がかかるといったデメリットがあります。
ここでは、ケアプランデータ連携システム導入のデメリットを詳しく解説します。
送信者・受信者双方の利用登録が必要
ケアプランデータ連携システムを利用するには、送信者と受信者双方の利用登録を行う必要があります。どちらか一方のみが登録している場合、データの送受信はできません。
連携先の事業所が登録済みか知りたい場合は、「WAM NET」で確認できるため、システム導入時には事前に登録状況をチェックしましょう。また、登録を働きかけることで、双方の業務効率化やスムーズなデータ連携の実現につながります。
無料期間終了後は費用負担が発生する
ケアプランデータ連携システムでは、現在「フリーパスキャンペーン」により利用料が無料となっています。令和7年度補正予算の成立により、令和8年度中(2027年3月)まで引き続き無料で利用できることが決定しました。また、2026年度下期に予定されている、介護保険資格確認等WEBサービスの統合まで延長される予定です。
ただし、無料期間終了後は年額21,000円(税込)のライセンス料が発生する見込みのため、長期的なコスト計画も考慮に入れておきましょう。
これまでFAXや郵送でかかっていた費用との比較も含め、自事業所にとっての費用対効果を無料期間中に十分確認することをおすすめします。
システム利用の定着までに時間がかかる
ケアプランデータ連携システムの導入では、操作に慣れるまで一定の時間がかかります。事業所ごとにID取得や電子証明書の準備、ソフトの設定が必要になるため、パソコン操作に不慣れな職員にとっては負担を感じることもあるでしょう。
特に、従来のFAXや紙ベースでケアプランを管理してきた職員の場合、システムを活用したデータ連携の一連の操作に慣れるまで時間を要します。ただし、システムが定着すると事業所間の情報共有がスムーズになり、人為的なミスの防止や業務効率化につながります。
そのため、職員への教育や周知の時間をしっかり確保し、段階的に運用を進めることが大切です。
ケアプランデータ連携システム利用までの流れ
ケアプランデータ連携システムは利用するまでに以下の4つのステップを踏まなければなりません。
①介護ソフトの対応状況の確認やデータの準備
②電子証明書の取得
③ライセンスの利用申請
④クライアントソフトのインストール
こちらではケアプランデータ連携システム利用までの流れを一つずつ解説します。
①介護ソフトの対応状況の確認やデータの準備
ケアプランデータ連携システムを導入するには、まず使用中の介護ソフトがシステムに対応しているかを確認しましょう。
厚生労働省が定める「ケアプラン標準仕様」に対応した介護ソフトである必要があるため、現在利用している介護ソフトが対応しているか事前の確認が必要です。
また、システムの導入時には、正確な利用者様情報やケアプランに関する情報の準備も欠かせません。データを出力する際、ケアプラン標準仕様に沿った形式(CSV等)でデータ化する必要があります。
さらに、個人情報漏えいを防ぐため、パスワード設定・アクセス制限などのセキュリティ対策も徹底しておきましょう。
②電子証明書の取得
ケアプランデータ連携システムを利用するには、電子証明書の取得が必要です。
電子証明書は、データの送受信や介護保険請求を安全に行うために欠かせません。すでに介護保険請求用の証明書がある場合は、そのまま継続して利用できます。
証明書が無い場合は、電子請求受付システムの専用サイトからケアプランデータ連携システム専用の無償証明書を申請・取得できます。電子証明書の発行手数料は無料です。
③ライセンスの利用申請
電子証明書の取得後、ケアプランデータ連携システムの利用ライセンス申請を行います。
専用サイトにアクセスして、電子請求受付システムで発行されたユーザーIDとパスワードを入力してログインし、利用規約に同意すると申請が完了します。申請の際、事業所番号や担当者情報などを正確に入力することが重要です。
申請内容に誤りがあると承認までに時間がかかる場合があるため注意しましょう。その後、審査により承認されるとシステムの利用が可能になります。スムーズに導入を進めるためにも、早めに申請を済ませましょう。
④クライアントソフトのインストール
ケアプランデータ連携システムを利用するには、クライアントソフトのインストールを行いましょう。
「ケアプランデータ連携クライアントソフト」は国民健康保険中央会の公式サイトからダウンロードが可能です。ダウンロード後はパソコンにインストールし、使用する介護ソフトとの接続設定や送受信テストを行います。
データ連携の準備が整うと、安全にケアプランや利用票などのデータを送受信できる状態になります。正確な設定と動作確認を行うことで、スムーズにシステム導入後の業務ができるようになるため、しっかり事前準備を行いましょう。
ケアプランデータ連携システム利用費用に関すること
ケアプランデータ連携システムの導入には、利用料や介護ソフトの費用が必要です 。しかし、キャンペーンや補助金によって費用を抑えることも可能です。
こちらでは、ケアプランデータ連携システムの利用費用について解説します。
利用するためにかかる費用
ケアプランデータ連携システムを利用する際に必要な費用は、以下の3つです。
- 年間利用料:21,000円(税込)
- 電子証明書発行手数料:無料(ケアプランデータ連携システム専用の無償証明書あり)
- 介護ソフト利用料:ソフトごとで違いがある
こちらのシステムは厚生労働省が推進していますが、利用するためには、上記の費用が発生します。ただし、既に使用している介護保険請求用の電子証明書がある場合は新たな発行手数料は必要ありません。
また、FAXや郵送にかかる通信費や人件費を削減できるため、導入後は初期投資以上のコスト削減効果が期待できます。
1年間利用料無料のフリーパスキャンペーン
現在、ケアプランデータ連携システムでは「フリーパスキャンペーン」を実施しています。
2025年6月1日より開始したキャンペーンで、令和7年度補正予算の成立により、令和8年度中(2027年3月まで)も引き続き無料で利用できることが決定しています。さらに、2026年度下期に予定されている介護保険資格確認等WEBサービスへの統合日まで延長される予定です。
すでに処遇改善加算の要件にも関わる重要な取り組みとなっており、無料期間中に導入・運用に慣れておくことは加算取得や経営安定化にもつながります。
キャンペーンが気になる方は、専用サイトから詳細をご確認ください。
ケアプランデータ連携システムに利用できる補助金がある
ケアプランデータ連携システムの導入には、国や自治体の補助金を利用できる場合があります。
主に利用できる補助金制度は、以下のとおりです。
- 介護事業所におけるICT導入支援事業
- 介護ロボット・ICT導入支援事業
- IT導入補助金
上記の補助金を利用すると、システム利用料や介護ソフトの購入費、導入時の接続サポート費用などが補助対象となるケースがあります。
補助金によって導入コストを大幅に抑えられるため、事前に自治体の窓口や公式サイトで、条件・申請方法などを確認することをおすすめします。
なお、補助金は予算枠が限られているため、早めに準備を進めましょう。
まとめ
今回はケアプランデータ連携システムについて解説しました。
ケアプランデータ連携システムは、すでに処遇改善加算の上乗せ区分要件(令和8年6月施行)や賃上げ支援の要件として、実質的に必須に近い状況となっています。
「まだ様子を見ている」という事業所にとっても、無料期間中に導入・運用に慣れておくことが、加算取得や経営安定化への着実な一歩となります。
現場への定着には一定の時間がかかるため、早めの準備が重要です。 まずは無料のフリーパスキャンペーンを活用し、自事業所に合った運用方法を見つけることからはじめてみましょう。
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白ゆり介護メディア編集部
いかに白ゆりの魅力を伝えるかを常日頃考えている介護メディア担当です。
白ゆりの魅力と一緒に、介護職の皆さんのプラスになる知識やお悩みの解決につながる情報も発信しています。