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【令和8年度】処遇改善加算の変更点と対応ポイント|管理者・施設長が押さえておきたい実務対応

【令和8年度】処遇改善加算の変更点と対応ポイント|管理者・施設長が押さえておきたい実務対応

令和8年度介護報酬改定では、処遇改善加算の再編が実施されました。

厚生労働省からは「介護職員について最大1.9万円の賃上げが実現する措置」と通知されており、事業所で働くスタッフからすると嬉しいニュースです。

処遇改善加算の改定スケジュールについては、4月・5月は従来の4区分を維持し、6月から上位区分の新設・新サービス加算が施行されました。

しかし、今回の改定を詳しく見ていくと「最大1.9万円」の賃金改善を実施するためには以下3つの条件を満たす必要があります。

1.0万円:全介護従事者が対象
0.7万円:生産性向上に取り組んだ事業所が対象
0.2万円:事業所における定期昇給

つまり、「最大1.9万円」の賃上げを実現させるには、事業所でこれまで以上の取り組みが求められており、区分の取得状況によっては最大値に及ばないケースもあるのです。

事業所の管理者・施設長からすると「実際にどのように対応を進めればよいか 」「上位区分を取得するために何から手をつければよいか」と悩む方も多いでしょう。

この記事では、令和8年度6月の改定における処遇改善加算の概要や変更点について解説します。

区分ごとの算定要件や計画書・実績報告書の作成時に気を付けたいポイントも紹介するので、今回の改定を詳しく知りたい方はぜひ参考にしてください。

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令和8年度6月からの対応で管理者が整理しておきたい3つのポイント 

令和8年度6月からの対応で管理者が整理すべきポイントは、以下3つです。

  1. 算定要件・区分の変更
  2. 配分・対象範囲の考え方の変更
  3. 申請・対応スケジュールの確認

それぞれの概要について解説します。

より詳しく変更点を知りたい方は、後述する「令和8年度の改定で何が変わった?変更点の全体像」をご覧ください。

① 算定要件・区分の変更

介護職員等処遇改善加算はこれまで「Ⅰ~Ⅳ」の4段階でしたが、Ⅰ・Ⅱにおいてそれぞれ以下の上位区分が追加されました。

  • Ⅰイ
  • Ⅰロ
  • Ⅱイ
  • Ⅱロ

「イ」は従来のキャリアパス要件や職場環境等要件などの基本要件を満たしているのに対し、上位区分である「ロ」は生産性向上や協同化の取り組みを満たすことが必要となります。

② 配分・対象範囲の考え方の変更

令和8年度改定では、処遇改善加算の対象者を介護職員のみから「介護従事者」に拡大されました。

これまでも事業所の判断により配分することは可能でしたが、今回の改定で制度上の正式な対象として位置づけられた職種は、以下のとおりです。

  • 看護職
  • ケアマネジャー
  • 相談員
  • 事務職員 など

さらに、これまで処遇改善加算の対象外だった以下のサービスでも加算取得できるようになりました。

  • 訪問看護
  • 訪問リハ
  • 居宅介護支援

現場で働く介護職員だけでなく事業所全体を支えるさまざまな職種も対象となったとともに、在宅ケアを支える訪問系・ケアマネジャーの処遇改善も制度として確立されました。

③ 申請・対応スケジュールの確認

令和8年度改定における処遇改善加算計画書・実績報告書の提出期限は、以下のように設定されています。

提出期限対象事業所提出内容
令和8年4月15日令和8年4・5月分から算定する場合令和8年6月以降、新区分で申請した場合令和8年4・5月分の計画書令和8年6月以降の計画書
令和8年6月15日令和8年6月から新規で加算を取得した事業所のみ令和8年6月以降の計画書
令和9年7月31日令和8年度に処遇改善加算を取得した事業所令和8年度の実績報告書

参考:

 ・東京都福祉局『令和8年度介護職員等処遇改善加算

 ・埼玉県『介護職員等処遇改善加算 各種申請(令和8年度)

通常、加算を新規で取得する場合「算定する月の前々月末日」までに提出しますが、今回の改定では事業所の取得状況によって2つの提出期限が設けられているため注意が必要です。4月15日の提出期限はすでに終了していますが、令和8年6月から新規で加算を取得する事業所については、6月15日が計画書の提出期限となっています 

また、処遇改善加算は申請するだけではなく、計画書に沿って賃金の分配や業務改善などに取り組み、その実績を報告することが求められます。

とくに、上位区分で必要な生産性向上において介護ソフトやICT機器の導入・運用が必要なため、令和9年7月31日の実績報告書提出を見据えながら、事業所の予算・状況に応じた計画的な取り組みが重要です。 

処遇改善加算とは?押さえておきたい基本

ここでは、処遇改善加算の基本として以下2点を解説します。

  1. 処遇改善加算の仕組みと令和6年度統合までの経緯
  2. 令和6年度統合までの経緯

基本的な仕組みやこれまでの流れをおさらいしておきましょう。

処遇改善加算の仕組みと令和6年度統合までの経緯

処遇改善加算とは、介護職員の安定的な処遇・賃金改善を目的とした加算です。

とくに、以下のような取り組みをしている事業所に対し報酬が上乗せで支給される制度設計となっています。

  • 職員の給与水準の改善
  • キャリアパス制度の整備
  • 職場環境の改善
  • 研修 制度の充実
  • 福利厚生の充実 など

2012年(平成24年)に「介護職員処遇改善加算」が新設されて以降、2019年(令和元年)には勤続10年以上の介護福祉士の処遇改善を図った「介護職員等特定処遇改善加算」や、2022年(令和4年)にはさらなる月額賃金の向上を目指した「介護職員等ベースアップ等支援加算」が設けられました。

令和6年度統合までの経緯

これまでの介護職員への処遇に関する加算は、以下3つに区分されていました。

  • 介護職員処遇改善加算
  • 介護職員等特定処遇改善加算
  • 介護職員等ベースアップ等支援加算

加算取得のためにはそれぞれの要件を満たす必要があるとともに、計画書・実績の作成といった事務作業の煩雑さから、2024年(令和6年)より「介護職員等処遇改善加算」に一本化されたのです。

従来の目的である人手不足の解消や待遇改善のみならず、働きやすい職場環境の整備も重視されるようになりました。 

つまり、賃金アップはもちろん、働く職員のスキルアップ・働きやすさの向上に取り組んでいる事業所が評価されるようになったといえるでしょう。

令和8年度の改定で何が変わった? 変更点の全体像

令和8年度の改定で大きく変わった 、処遇改善加算の概要は下図のとおりです。

出典:厚生労働省『令和8年度介護報酬改定について

従来、介護報酬は「3年に1回」のペースで改定しており、直近では令和6年度に改定されたため次回は令和9年度に予定されています。

しかし、今回「令和8年度に前倒し」で実施された例外的な改定であり、6月から施行が始まった現在も、実績報告書の提出に向けた対応が続いています。 

令和8年度改定の中心である処遇改善加算の変更については、4月・5月は従来の4区分を維持し、6月から上位区分の新設・新サービス加算が施行されました。

ここでは、令和8年度改定における全体像を以下4つの視点で解説します。

  1. 今回の改定が行われた背景
  2. 対象範囲の拡大と対象サービス
  3. 加算率・区分の変更点
  4. 新設された上位区分とその要件

今回の臨時改定の全体像をしっかりと確認しておきましょう。

今回の改定が行われた背景

今回の改定は「令和9年度介護報酬を待たずに、期中改定を実施」されました。

緊急性が高いものとして改定された理由は、主に以下2点です。

  1. 慢性的な人材不足の解消
  2. 他業種との賃金格差の解消

1つ目は、介護を担う人材が不足している背景があります。

厚生労働省によると、令和6年時点での介護職員数はおよそ212万人です。

今後も高齢者人口が増加する状況が見込まれているなかで、介護職員はより不足することが予測されています。

出典:厚生労働省『介護職員数の推移の更新(令和6年分)

2つ目は、介護職と他業種との賃金格差が顕著である点です。

役職者を除く全産業の平均賃金は39.6万円に対し、介護職だと31.4万円と「およそ8.2万円」の差があります。

出典:厚生労働省『賃金構造基本統計調査による介護職員の賃金について(令和7年 )』

これら2つの背景を踏まえ、介護職員の処遇改善・職場環境の改善が喫緊の課題であるといえるでしょう。

対象範囲の拡大と対象サービス

今回の改定で大きなポイントとなっているのが「対象範囲の拡大」です。

まず、これまで事業所内では介護職員のみ、もしくは介護職員が中心であった処遇改善加算ですが、今回から「介護従事者」が正式な対象として位置づけられました。

現場で働く介護職員だけではなく、医療ケアを行う看護職や事業所を裏から支えるケアマネジャー・事務員も、これまでの事業所判断による配分から、制度として賃上げが保障されることとなりました。
つまり、事業所の運営に携わっているチーム全体が加算の対象となったといえるでしょう。

また、これまで処遇改善加算の対象外だった訪問看護・訪問リハビリテーション・居宅介護支援等も、今回の改定で加算が新設されました。

在宅における看護職やリハビリ職、在宅介護サービスの中心を担うケアマネジャーも加算の対象となったのです。

この点においては、ただ単に加算の対象に追加されただけではなく、加算の要件である「生産性向上」や「賃金改善」といった取り組みを進めることが求められます。

これら対象範囲の拡大は、一事業所の賃金・職場改善ではなく「介護業界全体で今後の高齢化社会に立ち向かう」という国からのメッセージとして捉えることができるでしょう。

加算率・区分の変更点

令和8年度改定における加算率・区分の変更点は、下表のとおりです。

【訪問介護の場合】

改定前改定後
加算Ⅰ24.5%27.0%
28.7%
加算Ⅱ22.4%24.9%
26.6%
加算Ⅲ18.2%20.7%
加算Ⅳ14.5%17.0%

【通所介護の場合】

改定前改定後
加算Ⅰ9.2%11.1%
12.0%
加算Ⅱ9.0%10.9%
11.8%
加算Ⅲ8.0%9.9%
加算Ⅳ6.4%8.3%

参考:

 ・WAM NET『介護報酬の算定構造のイメージ(R7.8.1)

 ・厚生労働省『令和8年度介護報酬改定について

事業所によって加算率が異なるため、まず自分の事業所がどれほど処遇改善加算が上がるか確認しておきましょう。

新設された上位区分とその要件

現行の処遇改善加算のまま何も対応しなくても数%の加算率が見込まれますが、新設された上位区分も視野に入れておくことが今後の事業所運営にとって必要です。

処遇改善加算Ⅰ・Ⅱの上位区分である「Ⅰロ」「Ⅱロ」を取得するためには、以下の要件のいずれかを満たす必要があります。

  • 訪問・通所サービス等:ケアプランデータ連携システムに加入+実績報告
  • 施設サービス等:生産性向上推進体制加算ⅠまたはⅡの取得+実績報告
  • 社会福祉連携推進法人に所属していること

事業所の現状を踏まえ、上位区分に必要な要件を確認して加算率アップに向けた取り組みを進めましょう。

ケアプランデータ連携システムの導入方法や生産性向上推進体制加算の取得要件については、以下の記事もあわせてご覧ください。

【関連記事】
ケアプランデータ連携システムとは?義務化は?導入方法やメリット・デメリットを解説

生産性向上推進体制加算をわかりやすく解説!算定要件や取得のポイントまとめ

令和8年度の算定要件

令和8年度改定における各処遇改善加算の算定要件は、下図のとおりです。

出典:厚生労働省『令和8年度介護報酬改定について

ここでは、以下3つの変更点・措置について解説します。

  1. キャリアパス要件・月額賃金改善要件
  2. 職場環境等要件・生産性向上要件
  3. 令和8年度の特例措置

処遇改善加算を適切に算定するためにも、要件をしっかりと把握しておきましょう。

キャリアパス要件・月額賃金改善要件の変更点

キャリアパス要件・月額賃金改善要件については、下表のように取得する処遇改善加算の区分によって必要な要件が異なります。

【キャリアパス要件】

区分算定要件加算区分
ⅠイⅠロⅡイⅡロ
任用要件・賃金体系の整備等
研修の実施等
昇給の仕組みの整備等
改善後の年額賃金要件(1人以上・440万円以上)
介護福祉士等の配置要件

【月額賃金改善要件】

処遇改善加算Ⅳの1/2以上の月額賃金改善

参考:厚生労働省『「介護職員等処遇改善加算に関する基本的考え方並びに事務処理手順及び様式例の提示について(令和8年度分)」及び「介護職員等処遇改善加算に関するQ&A(第1版)」について』p.6~

それぞれ加算区分によって求められる要件が異なるため、現状の達成状況や上位区分を目指すために必要な内容を確認しておきましょう。

職場環境等要件・生産性向上要件の変更点

職場環境等要件は、下図のように6区分あります。

出典:厚生労働省『処遇改善加算等について

各加算の算定においては、項目ごとに一定数の取り組みが求められています。

区分別の必要な取り組みやその数は、下表のとおりです。

算定要件加算区分
ⅠイⅠロⅡイⅡロ
区分ごとに1以上(生産性向上は2以上)
区分ごとに2以上(生産性向上は3以上)
HP掲載等を通じた見える化

参考:厚生労働省『令和8年度介護報酬改定について

さらに、上位区分である「Ⅰロ・Ⅱロ」を取得するためには、生産性向上や協同化に係る取り組みとして、ケアプランデータ連携システム・生産性向上推進体制加算ⅠまたはⅡが必要となります。

令和8年度の特例措置について

上位区分の取得にはケアプランデータ連携システム・生産性向上推進体制加算が必要です。

しかし、処遇改善加算を新規取得・上位加算取得するうえで申請までに導入に間に合わなかった事業所もあるでしょう。

そこで、令和8年度の特例措置として、これらシステム・加算を整備もしくは取得を「誓約」することで取得できる特例措置が設けられました。

ただし、あくまで「今すぐ取り組まなくていい」という認識であり、令和9年7月31日の実績報告書を提出するまでには要件を満たす取り組みが必要です。

配分ルールの基本的な考え方

処遇改善加算は介護従事者の賃金改善を目的とした加算です。

そのため、処遇改善加算の配分方法については事業所で明確に取り決めておくことが求められています。

ここでは、処遇改善加算の配分ルールにおける基本的な考え方について以下2点解説します。

  1. 処遇改善加算の配分対象と方法の考え方
  2. 配分で押さえておくべき注意点

トラブルを未然に防ぐためにも、配分ルールや注意点を学んでおきましょう。

処遇改善加算の配分対象と方法の考え方

処遇改善加算を配分する対象者については、以下のように認識されています。

処遇改善加算の各事業所内における配分については、介護職員、特に経験・技能のある介護職員の処遇改善が重要であることに留意しつつ、事業所内で柔軟な配分を認めること対象には介護職員以外の全職種(※)が含まれる(※医師・看護師・理学療法士・介護支援専門員・栄養士・その他事務職など)

参考:厚生労働省『令和8年3月13日 「介護職員等処遇改善加算に関するQ&A(第1版)」の送付について

また、派遣労働者や業務委託職員も処遇改善加算の対象です。

従来、介護職員とその他の職種で明確に比率が設定されていましたが、今回その規定が廃止されており事業所の実情に合わせた配分が可能となりました。

事業所の柔軟な配分が認められている一方で、事業所内での配分の差を明確にしておく必要があり、キャリアパスの道しるべとなりえます。

一方で、配分の不公平さがみえてしまうと職員間のトラブルを引き起こすきっかけとなるため注意しましょう。

配分で押さえておくべき注意点

事業所で処遇改善加算を配分するうえで、以下のポイントに注意が必要です。

  • 原則「処遇改善加算Ⅳの1/2相当額以上」を月給(基本給または手当)に配分する
  • 経験・技能のある職員に重点的な評価となる配分を実施する
  • 特定の者や管理者などに偏った配分にならないようにする

事業所の裁量により処遇改善加算を柔軟に配分できますが、基本的なルールも守りつつ職員への十分な説明が求められます。

申請・手続きの基本的な流れ

処遇改善加算は、事業所の実情に合った計画とともに事業所での取り組み・実績が重要です。

ここでは、処遇改善加算の申請や手続きの流れと実績報告に向けた対応について、以下3点解説します。

  1. 申請スケジュールの確認
  2. 計画書・実績報告の基本的な流れ
  3. 提出前に確認したいチェックポイント

申請ならびに年間での計画もあわせて確認しておきましょう。 

申請スケジュールの確認

処遇改善加算に係る手続きのスケジュールは、下表のとおりです。

手続き内容
算定月の前々月末日新規申請・区分変更における計画書提出
~年度内計画書で定めた取り組みの実施・導入
対象年度の翌年7月末日実績報告書の提出

計画書・実績報告書はともに具体的な数値や根拠資料が必要なため、作成までに多くの時間を要する可能性があります。

他の業務と並行して行う場合もあるため、令和9年7月31日の実績報告書提出を見据え、時間に余裕をもって準備を進めることが大切です。 

計画書・実績報告の基本的な流れ

計画書・実績報告書は年度ごとに提出が求められます。

年度で計画書・実績報告の記載内容が変わるので、必ず最新のフォーマットを厚生労働省のページで確認しましょう。

あわせて、以下の書類も手元に揃えておくことが大切です。

  • 賃金台帳
  • 職員台帳
  • 処遇改善加算等総額のお知らせ
  • 昨年度作成した処遇改善計画書(※既存事業所のみ) 

また、加算の新規申請・区分変更の場合、加算届や体制状況一覧表も変更が必要です。

提出方法や添付資料が提出先の指定権者によって異なる場合もあるので、事前に確認することが大切です。 

提出前に確認したいチェックポイント

計画書・実績報告書を提出する前に確認しておきたいチェックポイントは、以下のとおりです。

  • 賃金改善額の総額が加算合計額よりも多いか
  • 月額賃金への支給だけではなく、賞与などで調整を行っているか
  • 対象職員に漏れがないか
  • 計画書と実績を比較して大幅な変更・差はないか

とくに、処遇改善加算を受け取ったにもかかわらず報告しなかった場合、介護報酬の返還や次年度の加算算定の不可、さらには監査などの対象にもなりえます。

まずは、提出期限をしっかりと守るとともに不備・不足がないように提出しましょう。

管理者が見落としやすい注意点

処遇改善加算は、事業所で働く職員の給与・待遇改善に直結するため、できる限り取得するとともに上位区分を目指す取り組みが求められています。

しかし、求められる算定要件や事務手続きも多く、ミスがあると加算が取得できず、職員の不満に直結する可能性があるのです。

ここでは、処遇改善加算で管理者が注意するポイントを2つ紹介します。

  1. 算定要件・申請でよくあるミス
  2. スタッフへの周知で押さえておくべきこと

それぞれ詳しく解説します。

算定要件・申請でよくあるミス

処遇改善加算の算定要件や申請・実績報告において、起こりがちなミスは下表のとおりです。

項目よくあるミス
金額・支給のミス賃金改善額が加算での収入総額より低い基本給や賞与として改善されていない など
計画書・報告書のミス基本の配分額を満たしていない計画書と実績報告書に大きな差がある など
算定要件のミスキャリアパス要件や職場環境等要件を満たしていない研修計画はあるが、実際に行えていない生産性向上に関する取り組みや機器導入ができていない など

処遇改善加算に関する取り組みは、年間を通して確認・調整する必要があります。

計画に基づいた活動はもちろん、人員の変更などによって見直し・修正することも大切です。

適宜、厚生労働省からの最新情報を確認し、事業所でミスがないかチェックするようにしましょう。

スタッフへの周知で押さえておくべきこと

処遇改善加算を取得する事業所では、加算の取得状況や計画・配分ルールなどをスタッフへ周知することが求められています。

スタッフへ周知する際、押さえておきたいポイントは以下のとおりです。

  • 事業所の加算区分を明確にする
  • 処遇改善加算の配分など「何に使われるのか」を明確にする
  • スタッフ全員が「1.9万円が必ずもらえる」わけではないことを伝える
  • 給与として「いつから」「どれくらい」反映されるのかを各職員に説明する
  • 上位区分の取得を目指す場合は、事業所の現状と上位区分の要件のギャップを説明し目標設定する

職員にとっては、毎月の給与として日常生活に直結する内容であり、配分の不公平感・説明不足による不満が出てしまうと、職員間のトラブルや退職、ひいては内部告発などにも発展しかねません。

各職員が確実に確認できるように、書面配布や掲示など複数の方法で周知するようにしましょう。

まとめ

今回、異例の前倒しとなった令和8年度介護報酬改定は、主に処遇改善加算が大きく変わりました。

この改定では、スタッフが感じる賃金に対する不安を少しでも減らせる改定となっており、生産性向上の観点でも大きな転換点となっています。 

ただし、処遇改善加算の取得には多くの要件・事務手続きが必要であり、余裕をもった作成・提出が求められています。 

些細なミスや不備で事業所全体の空気が悪くならないためにも、逐一最新情報を把握しましょう。

事業所は「安心して働きやすい職場作り」を目指して、さまざまな改善を講じる取り組みが大切です。

管理者・責任者の方は処遇改善加算の内容をしっかりと理解して、事業所で働くスタッフが一丸となって業務改善・職場改善に取り組みましょう。

白ゆり介護メディア編集部

いかに白ゆりの魅力を伝えるかを常日頃考えている介護メディア担当です。
白ゆりの魅力と一緒に、介護職の皆さんのプラスになる知識やお悩みの解決につながる情報も発信しています。

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